
ハイカー憧れの槍ヶ岳登山計画

登山するひとなら誰もが知っている槍ヶ岳。登山をする人が「やり!」と言えば、それは槍ヶ岳3,180mを意味します。
北アルプスを代表する山、槍ヶ岳。その天を衝くような精悍な姿はハイカーたちの憧れです。よく「槍様」なんて言われたり。
アルプス一万尺♪の歌は槍ヶ岳のことを歌っていますが、一万尺とは3,030m のこと。槍ヶ岳の小槍の高さがちょうど3,030mなのだとか。なるほど、今知った!
2泊3日、槍ヶ岳の旅は山小屋のネット予約から始まる
山小屋のネット予約はドキドキしますね。指定の予約開始時間にスマホ片手にスタンバイ。
あっちゃ~(∋_∈)満室?え、大丈夫?
泊まりたい日の1ヶ月前に予約できます。すぐにいっぱいになるので、キャンセルが出るのを待つ手もあります。
私たちが泊まったのはこちら↓
1泊めは槍沢ロッヂ。予約はこちら↓
槍沢ロッヂ | 山小屋のご案内 | 槍ヶ岳山荘グループ (yarigatake.co.jp)
2泊めは槍ヶ岳山荘。予約はこちら↓
槍ヶ岳山荘 | 山小屋のご案内 | 槍ヶ岳山荘グループ (yarigatake.co.jp)
登山計画を立てて提出
登山計画はYAMAPで立てて、長野県警に提出しました。
1日め 前日に沢渡入りして車中泊、朝5:00発の上高地行きのバスに乗車(約30分)。河童橋→明神池→横尾→14時槍沢ロッジに到着、泊まる。
2日め 槍沢ロッジを6時に出発。天狗池で逆さ槍ヶ岳を見て、南岳→中岳→大喰岳→槍ヶ岳山荘にザックを置いて→槍ヶ岳にアタック
3日め 槍ヶ岳山荘を6時出発。上高地へ下り、バスで沢渡駐車場に戻る。
という、登山計画を立てました。日帰りする強者もいるけど、槍ヶ岳は初めてなのでゆったりとした登山計画を立てたつもり。
沢渡(さわんど)駐車場に前泊する

上高地へのアクセスは通年マイカー規制があり、車での直接乗り入れはできません。沢渡(さわんど)からバスに乗ります。
沢渡には市営駐車場が2,000台分、市営第1~第4駐車場とあり、その他にも民間の駐車場が10箇所あります。市営駐車場はキャンピングカー禁止、民間の駐車場に停めるようにとのことです。
沢渡市営第2駐車場の足湯です。こんこんとお湯が溢れていて、ちょっと熱め。


沢渡第2駐車場のトイレはキレイでした。ちゃんと便座クリーナーもあります。近くに更衣室もあるので、女性はありがたいですよね。



1日め、上高地から槍沢ロッヂへ
沢渡ナショナルパークゲートからバスに乗り込みます。

沢渡ナショナルパークゲートからバスは30分おきに出発しています。料金は往復2,400円、片道1,300円。



沢渡ナショナルパークゲートの素敵な展示。ゆっくり見たいけどバスの時間が・・・。
バスで30分移動、上高地へ。ここから、まずは槍沢ロッヂを目指す。
上高地へ着くとそこは別世界。山岳リゾート地の雰囲気かプンプン、否が応でもテンションはup(^-^)v

時間があったので上高地からちょっと下り、大正池までお散歩。

いよいよ河童橋から登山スタート。
これが梓川に架かる河童橋。とても賑わっています。
付近には素敵なカフェやリゾートホテルが建ち並び、寄り道してお茶したいのをグッと我慢。槍ヶ岳を目指さないとね(^o^)
この日は曇りだったので、穂高連峰は少ししか見えないですね。

梓川の蒼い河面が美しい。曇りでこの青さですから、快晴ならもっときれいでしょう。

明神池に寄り道しましょう
途中、明神池に寄ります。ここは穂高神社の奥宮で、明神池へは有料です。

美しい明神池。これから始まる槍ヶ岳登山の無事をお祈りします。



明神池が雲を写し、美しく澄んでいます。

明神橋
明神橋を渡り、まずは徳沢を目指して、いよいよ本格的な登山道・・・へ?

槍ヶ岳かと思ったら、「明神岳」。槍ヶ岳はまだまだ見えませんよ。

上高地にはお猿がたくさん生息しています。こんな母子のお猿も(のりぞが撮影)
お猿さんには敵対心を持たれないよう、目を合わさないでさりげなく観察しましょう。上高地のお猿さんは大人しそうな表情。


徳沢園でランチを
朝4時に起きて朝ご飯を食べたので、そろそろお腹も空きまして。
徳沢園で、カレーやら高菜ピラフやら。そして名物のコーヒーソフトを美味しく頂き、また元気充填しました。



横尾を通過して
横尾分岐です。ここは涸沢への分岐ですね。槍ヶ岳へはまっすぐに進みます。


一の俣・二の俣を通過


槍沢ロッジにお泊まり
1日め、13:20槍沢ロッヂに到着しました。

こちらの山荘にはお風呂があります。シャンプーや石鹸は使えないのですが、明日も山小屋泊なのでとても助かります。髪はショートスタイルなのですが、お湯で汗を流し、消灯までにはなんとか自然乾燥できました。(ドライヤーはありません)






槍沢ロッヂはとても清潔で、居心地の良い山荘でした。食事はボリュームもあり美味しくて満足(^^)v
お部屋はコロナ対策のため、グループごとにカーテンで仕切られていて、プライバシーが保たれています。
この日の夜は激しい雨音が聴こえていましたが、快適なお部屋でぐっすり休みました。
翌朝、5時30分に出発。天狗原のお花畑を見るために。。。
天狗原へ
翌朝は美味しい朝ご飯を食べて、5時30分に槍沢ロッヂを出発。槍沢ロッヂでお話した方が、天狗原の花畑が素晴らしいという情報をくださり、天狗原を経由することにしました。
そして明日は天気が崩れる予報なので、本日中に南岳と中岳、大喰岳の縦走、悪天候でなければ槍ヶ岳にアタックの予定です。

天狗原への分岐↓

天狗原では、多様な高山植物が満開を迎えていました。まだ、雪渓も残っている冷涼な気候ですが、短い夏を謳歌するように競いあって咲いています。








南岳へ向かう途中、長野県警の方とスライドしました。漫画「岳」で登場する長野県警の山岳遭難救助隊の方たちです。「稜線は風が強くて寒いので、寒さ対策をしっかりしてくださいね」と声をかけていただきました♪


天狗池は凍っていてびっくり(∋_∈)晴れていれば逆さ槍が見えるかも・・・と期待していましたが、逆さ槍どころかこんなに凍っているとは(*_*)

悪天候のなか、南岳・中岳・大喰岳へ
南岳→中岳→大喰岳の順に、3,000m級の山を3座、小雨と暴風吹き荒れるなか縦走しました。ガスで何にも見えない。のりぞの眼鏡は曇るし、せっかく槍沢ロッヂで作ってもらったお弁当を食べる場所もない(*_*)。


岩場が続き、梯子や鎖場もありますが難しくはありません。
ガスのなかから見え隠れする槍ヶ岳。少しずつ槍ヶ岳に近づいて来ました。




岩場のかげが無風だったので、槍沢ロッヂのお弁当をいただきます。ちらし寿司の酸味と甘さが、疲れた身体にしみます。

槍ヶ岳山荘に着きました
大喰岳を越えると飛騨乗越、突然ガスの切れ間から現われる「槍ヶ岳」。
やっと着いたぁ~。

こちらが槍ヶ岳山荘。受付をして、ザックをアタックザックに変えて。
ついに槍ヶ岳へアタックします。
天候は風はあるけど、幸い雨は降っていないし、岩場も濡れていないよう。

念願の槍ヶ岳アタック
登りと下りでルートが違う
槍ヶ岳の穂先にアタックです。ここまで長い距離を歩いて来て、かなり疲労していますが、もう少しなので気合いを入れて頑張ります。
ヘルメットはほとんどの方が装着しているようです。(槍ヶ岳山荘にもレンタルヘルメットがあります)

槍ヶ岳穂先は登りルートと下りルートが、明確に分けられています。矢印がペイントされているので、わかりやすいと思いました。
鎖と梯子の連続
頂上に近づくにつれて、鎖と梯子が連続しますが、ガスっていたせいか高度感はあまりありません。足場はしっかりあります。基本の三点支持ができれば私でも大丈夫でした。

最後の梯子を登れば、槍ヶ岳山頂!
登りルートと下りルートが明確に分かれています。矢印に沿って三点支持!

最後の長めの梯子は、岩で足を置きづらい箇所がありますが、ゆっくり焦らず登れば大丈夫!

山頂は残念ながらガス。何にも見えません(-_-)心の目で、槍ヶ岳からのパノラマ眺望を見た・・・ってことで。

今回はガスガス槍ヶ岳だったけど、今度は槍ヶ岳ブルーを見たいな♪

穂先を降りて、槍の肩へ。今夜は槍ヶ岳山荘で祝杯だ!
穂先を降りて、槍ヶ岳山荘で祝杯!やったね。よく頑張った。
と、山荘でまったり。ふと窓の外を見ると、なんとガスが一瞬晴れて槍の穂先が現れた。およよっo(^-^o)(o^-^)o
まじか!酒飲んじゃったよ(-.-)飲んでいなかったら、ガスが晴れた時間帯にもう一度登っていたかもしれませんが。ここはひとつ安全第一で自粛。

北アルプスの山々。中央の円錐形の山は常念岳。
赤い屋根は殺生ヒュッテ。


奥穂高岳方面

槍ヶ岳山荘はこんなところ





高山病になりました(∋_∈)
2日かがりで辿り着いた槍ヶ岳。ここは標高3,000m。富士山登山以来の高山病を発病しました。頭が痛くて、食欲がない。なんとなく吐き気も!
頭痛はロキソニンでごまかせたけど、食欲がないのは困ったもんです。
雨の中の下山、上高地まで。
雨で溶ける雪渓
翌朝は雨。仕方ない、レインウェアを着込んで5:30出発。
大きな雪渓を渡らなければいけません。踏み固められた雪渓は雨で溶けてツルツル。雪渓の下は沢が流れていて、雨による増水で氷が薄くなっている。ツルツルで怖ーい(>.<)。

徳澤園で休憩、本格ピザを食べて充填
一昨日も寄ったけど、徳澤園が気に入ったので、ランチは徳澤園と決めていました。美味しかった高菜チャーハンは時間が早くてまだ販売されていないので、ピザを注文。ハチミツをかけて食べる甘いピザです。


河童橋まで下山、お疲れ山(^^)v
河童橋にようやく戻って来ましたぁ。2日間かけて登って、下山には6時間ほどかかりました。

総距離45.8km。
標高差1日め登り2,305m、下り714m。2日め下り1,905m、登り329m。
歩きましたねぇ~、いやぁ、疲れました。
まとめ
念願だった槍ヶ岳登頂。私なりの感想は。。。
1.北アルプスは山容や景色が素晴らしいだけでなく、高山植物の多様さも素晴らしい。
2.槍ヶ岳まで、距離と標高差が長いので体力が必要。
3.槍の穂先(山頂部分)は基本の登山技術が備わっていれば難しくないし、怖くもない。
4.できれば、好天時に登りたい。
北アルプスというのはマイカー規制もあり、アクセスしにくい山地域です。1日ピストンで行くのはもったいないし、山小屋泊やテント泊でのんびり味わいたい山域でもあります。
メディアで見る槍ヶ岳では難易度が高いように感じていました。確かに登山経験がない人や登山初心者には難しいです。槍ヶ岳穂先は高度感がありますが、慎重に足場を確かめながら登れば私でも大丈夫でした。今回は欲張って槍ヶ岳以外の3,000m級の3座も登ったので、距離も長くなりました。上高地⇔槍ヶ岳ピストンだと距離は40kmくらいです。
昨年の燕岳、大天井岳、常念岳に続き、今年は槍ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、立山連峰と、北アルプス三昧でした。「やっぱり北アルプスは良い!」の一言に尽きます。
皆さんも、いつかは槍ヶ岳を実現してください。
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