
登山を始めた頃はトイレの問題が心配だったけど、今は登山前にしっかり排尿することで登山中の尿意は気にならなくなりました。登山と女性のトイレ問題、掘り下げて考えたいと思います。
登山中のトイレ問題に悩む女性におすすめのこっそりトイレグッズはこちらの記事で紹介しています↓
登山と女性ののトイレ問題について考える② おすすめトイレグッズ紹介
登山を始めた頃の不安、それはトイレ
山ってトイレがないところが多いと思います。有ったとしてもとっても臭かったり汚かったり。男性はちょっと茂みに隠れてやっちゃう人もいます。でも女性はそうはいきません。トイレがない!と知ると途端に不安になるのが女性。生理だってあるし、脱水は避けたいからドリンクは飲まないといけないし。登山の究極の悩みですよね。
結論:登山を何年か継続していると抗利尿ホルモンの働きで登山中の尿意は減少する。
登山を始めた頃はたしかに私も「トイレ」問題に悩んでいました。でも今はそれほど尿意を感じることもなく、下山するまでトイレを我慢できるのです。コースタイム11時間の平ヶ岳でも大丈夫でした。それはなぜでしょう。私なりにネットで調べると、私が考えた仮説と同じような記述の文献が見つかり、これだ!と思いました。

登山に適応した身体になってきた
登山トレーニングをだいたい隔週ペースで行っています。始めた頃はトイレとか尿意が気になりました。5年経った現在はトイレを我慢していると言うよりも、尿意をさほど感じない身体になりました。
自分で推測する理由は
①水分の取り方がうまくなった
②発汗や登山の身体負荷により、「抗利尿ホルモン」が分泌され尿生成が抑制される
③山にトイレがないことに慣れ、心理的に余裕と耐久性が備わった
③番目は、根拠がないのですが5年も登山していれば多くの山を経験し、「心の余裕」ができたのかもしれません。因みに膀胱容量が変化した感じはまったくないですね。
今でも心がけていることは、
- 登山開始直前に排尿を済ませる
- 少しづつの水分を取る
だけですが、だんだんと登山に適応した身体の仕組みになってきたのかなと思います。

抗利尿ホルモンの働きで尿量減少
抗利尿ホルモンとは
「抗利尿ホルモン」というのは、脳下垂体から分泌されるホルモンで、循環血漿量が減少した時に腎臓に作用して、体液の損失を防ぎ体液を保持する作用があります。
簡単に言うと、「尿量を減らして、身体の水分が減らないようにする作用のホルモン」で、「抗利尿ホルモン」が寝ている間に分泌されることで夜は尿量が少なくなります。だから朝一番のおしっこは濃いおしっこが出るわけです。
登山トレーニングは有酸素運動で、不感蒸泄も増え、発汗も多く、身体負荷が高い運動ですから、身体は水分が脱水にならないように「抗利尿ホルモン」を分泌して、尿量を調節します。
茨城大学の文献で、登山中のむくみや尿量減少についての実験と記述です。↓↓
http://sport.edu.ibaraki.ac.jp/semi/2006/resume/27yoshinaga.pdf
ここから文献)水分摂取量と排泄量
高山は汗、呼吸などの不感蒸泄の脱水量の多さから水分不足になりやすい環境である。水分不足に陥った場合、体内でこれ以上の脱水を阻止するために「抗利尿ホルモン」が分泌され、登山中は一時的に尿量が減少する。本実験でもその傾向が見られた。
登山における体重の増減についての一考察
-北アルプス夏季登山の場合-より引用
登山トレーニングを継続することで、山に適した身体になる
私の場合、水分の取り方を工夫して、登山という身体負荷に身体が徐々に適応することで、尿生成が減少し尿意を感じにくくなりました。以上は「私の場合」ですが、登山を始めたばかりの方や山でのトイレ問題を心配されるかたには、焦らずじっくりと登山トレーニングに取り組んでいただきたいと思います。
心理的な不安からトイレが気になってしまうが、登山を楽しみたい方はこちらの記事を参考にこっそり山でトイレするためのグッズをお守り代わりに持ってくのも良いことだと思います↓↓↓
登山と女性ののトイレ問題について考える② おすすめトイレグッズ紹介
適切に水分を取らないと・・・
- 脱水になる(動けなくなる、頭痛、吐き気、めまい)
- 高山病になりやすくなる
- 熱中症になる
- 筋肉のけいれんが起こる(こむら返り 足がつる)
- むくみ
以上のような症状が現れますので、水分はこまめに積極的に摂取することが大事です。
水分の取り方は工夫して
自身の身体が「山を登る、汗を出す、しばらくトイレに行けない」という環境に順応し、尿意をあまり感じなくなったとしても、ドリンクをがぶ飲みすると必ず尿意が起こります。
水分を少量づつ飲む
身体は水を飲んだ時に吸収できる量を超えると尿を生成してしまうそうです。少しづつ飲むことで、身体の水分は尿生成よりも汗や不感蒸泄へシフトします。(不感蒸泄とは呼吸・皮膚・気道から出て行く身体の水分)
登山中、私はこまめに少量の水分を摂取します。がぶ飲みはしません。ただし喉が渇く前に飲むようにしています。具体的には30分につき100mlくらいを飲みます。暑い時期は25%位多めに飲みます。私の場合は発汗が少ない体質なので、発汗が多い方は調節してみて適量を身体で覚えましょう。下山間近になりあと1時間位で登山口に到着するという時間帯にはがぶ飲みOKですよ。
ハイドレーションシステムなどを利用する
ハイドレーションシステムはザックをおろさなくても、チューブから少しづつの水分を摂取することができますので、活用してみるのも良いでしょう。
尿意は心理的なものが密接に影響する

山にはトイレがないかもしれない→トイレに行きたいような気がする→トイレのことばかり考える・・・・・。人間の心理と尿意には深い繋がりがあります。心因性頻尿といって緊張や不安が原因となって起きる頻尿で、リラックスしている時には尿意は起こりにくいとされています。「会議のプレゼン前に緊張してなぜかトイレに行きたくなる」といったことは、健康な人でもよく経験することです。トイレがないかも!というだけでなぜかトイレの心配が頭から離れない。そういう人は、山用トイレグッズをザックに詰めて、心理的な安心を得ることで山を楽しめると思います。
そして何度も何度も山トレーニングを繰り返しているうちに、私のように「あれ?10時間トイレ行かないけどぜんぜん大丈夫だった」という身体の順応が起こるかもしません。人間ってすごいですよね。
トイレがない山に行くときの安心トイレグッズはこちらの記事で紹介しています
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